新たな夢

最近、私が掲げている夢を
ここに記しておこうと思います。

私は12年間、フォトグラファーとして活動してきました。いわば「裏方」です。レンズの向こうにいる人の光を引き出す仕事。けれどどこかで、ステージに立つ人を羨ましく思っていました。

当時は「羨ましい」というより「かっこいいなぁ」という憧れの方が近かった。だからこそ私の仕事があるとも、理解していた。自分がその場所に立つなんて、考えたこともありませんでした。

大腸がんを経験し、自分の“本当の声”と向き合ったとき、気づいたのです。私は自分の人生というステージにすら、立てていなかった。夢を見失っていたし、目標もなかった。もちろん、夢がなくても人生は続いていく。でも私は、物理的にステージに立ちたかった。

2025年1月、抗がん剤治療が終わった。
2025年2月、ダンスを習い始めた。

そして今、2025年10月。たくさんのステージを観に行くうちに、「あのステージの上で踊りたい」と心から思えるようになった。

自分の体で表現したい。


体だけじゃなく、心も、思考も、息遣いも私の中にあるすべてを使って、生きたい。ステージの上に立った経験なんて、会社の新年会の余興くらい。でも、それでいい。

小さい頃、歌うことも踊ることも運動も好きだった私が、いつの間にか自分の“楽しい”をどこかに置いてきていた。だからこれからは、その種を拾い集めて、その種をもう一度、土に埋めて、水をあげて、花を咲かせるように踊ってみようと思う。

そしてもう一つの気づき。
「私は何を踊りたいのか、どう表現したいのか」が分からなかった。だからまず、SNSでいろんなダンサーを見て、ピンときた“ジャズダンス”を選んだ。

今はジャズの初心者クラスに通っているけれど、経験を重ね、ステージを観るたびに思った。私の理想は、誰のどんなダンスなんだろう?

そう問いながら“ダンサーに恋する”ように探していくと、私が惹かれていたのは、ジャズではなかった。

ジャンルはヒップホップR&B。
このジャンルの人たちは、ダンスをしているというより、感情を表現している。やってみたから、気づけた。ここを軸に飛び込むしかない。

そして昨日、ヒップホップR&Bのレッスンに申し込んだ。いや、申し込めた。(この飛び込む行為がどきどき)いまの私は、やっていることを全部投げ出してでも踊りたいと思うぐらい。
体で生きることに、こんなにも熱狂できるなんて。

32歳から始めたダンス人生。
悪くないよね。

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大切な人