はじめまして。
KAKU-DO°書便をお手に取ってくださり、本当にあり
がとうございます。この書便が、あなたのひと月をやさしく、あたらしくするはじまりになりますように。そして今、このお知らせを読んでくださっているあなたと出会えたことに、心から感謝しています。
私は、原田萌奈美と申します。
KAKU-DO°書便をささやかに運営しながら、「残したい想い」や「声」を映像として形にする活動をしています。2024年、私は大腸がん(直腸がん・ステージIII)と診断されました。それまで12年間、フォトグラファーとして誰かの想いを写真で表現する仕事を続けてきましたが、その活動には一度、終止符を打ちました。
「これから、どう生きていけばいいんだろう。」こんなに深く悩んだのは、生まれて初めてだったかもしれません。体も心も、思うようにならない日々。そんな中で、私を救ってくれたのは「書くこと」でした。
感情に引きずられて世界が苦しく見える日は、ただひたすらに本音を書き続けました。誰かに見せるものではない、自分だけのための記録。それは、不安や怒り、期待、罪悪感。 自分でも見ないふりをしていた気持ちを、そっと表に出してくれました。
「書きながら、生きている。」止まってもいい。投げ出してもいい。けれど、書き続けることは、「まだ気持ちが残っている」という、確かな証明のように思えました。
書くことで救われた。だからこそ、書くことの素晴らしさを、誰かに届けたい。そんな想いから生まれたのが、KAKU-DO°書便です。そして書くことの先には、いつも“つながり”がありました。
ここでは、電波も画面も使いません。ただ書くことで、誰かとつながる。私を中心に、静かに広がっていく、そんな世界をつくりたいのです。それは少し不便かもしれないけれど、もっともまっすぐで、しんらつなつながり方だと思っています。
体験を込めて言えば、人生は、思っている以上に精緻で、思うよりもずっと脆いもの。だからこそ、どこかにそっと優しさを届けられる場所が必要だと思うのです。
KAKU-DO°書便が、そんな場所のひとつになれたら。
この一通が、あなたの手と心をつなぐものになれたら。そんな願いを込めて、最初の便りを綴りました。
読んでくださって、ありがとう。
これからどうぞ、よろしくお願いします。